日本に2万事業所を超えると言われる転職エージェント。転職サイトに登録をすると転職エージェントからスカウトメールが山ほど送られてきますがそのサービス内容は玉石混合です。特段強みのない転職エージェントや、「●●に強い」と謳いながらも実績の少ないエージェントも存在します。転職者専属コンサルタントとしてあなたの転職を圧倒的に有利に導いてくれる人もいれば、残念ながら「営業相手」「売り上げ数字」としてしか見てくれないコンサルタントもいます。
では優良な転職エージェント・コンサルタントはどのようにして見極めればいいのでしょうか?エージェントファインダー創業者で、自身もコンサルタントとして誰もが知るメガベンチャーにTOPクラスの内定実績を誇る粕谷暢司氏に話を伺いました。
転職エージェントは参入障壁が低く、「とりあえず免許だけでも取得しよう」と軽い気持ちで始め、転職希望者が見つかると転職先を斡旋する、ある意味片手間でサービス提供する会社も存在します。従業員5人以下の中小転職エージェントが90%を占めていますが、小規模だからといってサービス内容のレベルが低いかというと、決してそのようなことはなく、中には得意領域を絞り込むことで圧倒的な情報量やコネクションを持つエージェントも存在します。転職エージェントを起業する人は幅広く、人材業界出身者はもちろん、もと人事で採用を担当していたり、人材業界ではなくても自身の転職をきっかけにサービスをスタートしたりとそのバックグランドは様々です。
前述の通り、本業の片手間で転職エージェント業をしている会社もありますし、そのサービス内容は企業によって様々、玉石混合です。その中からどう優良転職エージェントを見極めるか。エージェントを見極める際に有効な6つ質問・視点をお伝えします。
転職エージェントに足を運ぶとわかりますが、転職者や求人企業から信頼を得ているエージェントにはほぼ間違いなく表彰実績があります。ビズリーチなどの転職媒体や求人企業から優秀な転職エージェントとして表彰を受けているのです。
ですから表彰実績があるか、は優良エージェントを見極める一つの指針になるでしょう。但しここで注意が必要なのは「会社として表彰されていても、コンサルタント個人の経験レベルは様々」ということです。信頼と実績のある転職エージェントに面談に行くと、出てきたのは入社間もない新人コンサルタントということもよくあります。しかし経験豊富なコンサルタントは情報レベル・転職サポートのサービスレベルが段違いです。会社の表彰実績に安心せず、あなたの目の前にいるコンサルタントが実績を持ったプロフェッショナルか、このあとご紹介する別の質問で見極めるようにしてください。
新卒で転職エージェントに就職した人を除き、多くのコンサルタントは自身の「前職」を強みにコンサルティングを行っています。コンサルティングを行う上ではコネクションや情報量が強みになるからです。ですから金融業界出身のコンサルタントであればほぼ間違いなく金融業界への転職サポートを強みにしているでしょう。そこで大切なのはまずあなたの担当者として出てきたコンサルタントがどこの業界・どこの会社出身かを聞くことです。(ごく稀に自身の出身業界でない得意業界・企業を持ってケースもあります。)
また前述の通り、会社として「強い」と謳っていても、コンサルタントによってそのレベル感は異なります。転職サポート実績10名の人と1名の人では、できるアドバイスは大きく異なります。そのため会社としてどんなに強みが明確でも対峙したコンサルタントから有益な情報が得られなければ経験が浅いと判断し、別のコンサルタントを探すのが得策です。
「私のような人が過去に転職していますか?」という質問も、コンサルタントの経験量を問う意味で有益でしょう。経験・実績豊富なコンサルタントであれば「こういうキャリアを持った人は内定を得やすい」「この経験が足りないのがネック」と、採用企業に代わって合格可能性をある程度予測することができます。ボトルネックがある場合、それをどのように解消すれば内定可能性が高まるか、実績も含めてレクチャーしてくれるでしょう。あなたが行きたい企業・業界に過去に転職した事例をしっかりヒアリングしてください。
2万事業所もあると、転職エージェントの中には残念ながら転職者目線で寄り添ってくれず、企業の論理でサービス提供するところも多々あります。そのようなエージェントは決まって「たくさん受けましょう」「書類選考を通過したところから面接していきましょう」と薦めてきます。企業本位で「応募数」を稼ぎ、早く内定を得て欲しいという思惑があります。しかし本当に転職者に寄り添ったエージェントであれば必ず第一志望の面接日程を軸に、他社の選考日程のスケジューリングを行います。なぜなら面接は受ければ受けるほど慣れ、選考を通して思考もクリアに成長していくものだからです。最初に受けるのは練習、本命は面接慣れをした最後にもってくるのです。こういった提案をしてくれるかどうかも優良エージェントを見極める一つの視点になるでしょう。
多くの一般的な、実績の少ない転職エージェントの場合、求人票に記載されている以上の情報を持っていません。そのため「●●に転職すると年収はどれくらいあがりますか?」と聞かれても求人票に記載されている以上のことは伝えられません。しかし、企業とのコネクションが強い優良エージェントであれば、事例をもとに過去にこれくらいもらっていた人がこの金額で提示された、といった事例を伝えることができます。もちろん年収提示は企業側の行為ですから言い当てることはできませんが少なくても「年収の幅」は伝えることができるでしょう。
また、面接内容についても優良エージェントであれば具体的にどんな質問がされるかも把握しています。中には過去の面接でされた質問をベースに面接練習をするエージェントもあります。ここまでしてくれる優良エージェントと出会えると、転職活動はあなた優位で進めることができるのです。
優良転職エージェントは転職者との関係性を長期的に捉えています。目の前の転職者がいま転職を決めなくても、コンサルタントしての価値を提供することで「いつかまた転職を考えた際に自分に相談してくれればいい」「いいコンサルタントがいると周りの転職希望者に紹介してくれるといい」と長い目で転職者との付き合いを考えています。
一方、大手転職エージェントに属していたり、プロ意識の弱いコンサルタントは非常に短期的思考で転職者に向き合っています。大手であればいつ異動になりコンサルタントという仕事から離れるかわかりません。であれば今、数字を出したいという考えになります。そのため、とにかく「今、転職を決める」ことに走りがちです。ところが優良転職エージェントであれば転職をしたあとも定期的に会ったりと転職者との関係性を続けます。それが情報収集にも繋がりますし、もし転職先で困ったことがあれば過去の転職者の事例をもとにアドバイスすることもできます。転職先で力を発揮し、定着することで求人企業から信頼を得ることもできますし、転職者個人との関係性を築くことで「次に」転職するときに相談してくれるかもしれません。とにかく長期的な視野で転職者と向き合っているのが優良転職エージェントの特徴です。あるコンサルティング業界でトップクラスの内定実績を持っている優良転職エージェントでは、転職者とは転職後も定期的に接点を持ち、時には相談に乗ると言います。プロジェクトが合わずパフォーマンスが発揮できなくて困っている転職者に、社内の別の人を紹介して違うプロジェクトにアサインしてもらうよう動くこともあるようです。これほどまでに、優良転職エージェントはサービスの深さが違うのです。
この他にも、優良転職エージェントであれば面接前にカジュアルな面談をセッティングしたり、過去の転職者を紹介してOB訪問をさせたりと、満足度の高い転職を実現するためにサポートしてくれるでしょう。
大切なのは自分に一流のサービスを提供してくれるコンサルタントを戦略的に選ぶことです。それは必ず「内定」という結果に返ってきます。少しでも不安要素のあるコンサルタントからは応募しないことが得策です。一人でも多くの転職者の方がコンサルタントを見極める目を持ち、有意義で納得のいく転職を実現できるよう願っています。弊エージェントファインダーでは、内定実績や求人企業とのコネクションなどの独自のモノサシから【優良】と判断した転職エージェント・コンサルタントだけをご紹介していますのでトップエージェントとの出会いを求めている方は是非ご登録ください。
メルマガサービス(β版)を開始!
転職Picksの最新記事&転職エージェントの裏話をメールでお届け