企業と求職者の間に立ち、求職者へのキャリアコンサルティング、面接対策、条件のすり合わせを行うエージェント。本人の代わりに採用条件やポジションの交渉などを進め、第三者視点だからこそ求職者の強みを企業に客観的に伝えられるという特徴もあります。
転職という人生の大きな決断に伴走してもらうのですから、エージェントやコンサルタント探しは非常に大切です。企業とのリレーションが深いコンサルタントであれば、書類選考で条件(給与)面が折り合わなかったとしても「こういう実績のある方なので、年収を少し上げてでも採用する価値はあると思います。お会いするだけでもお願いできませんか」と直接企業側に交渉する余地があります。
また、コンサルタントによっては、一般には公開されていない求人を把握しているケースもあります。多くの企業は複数の紹介会社が取引をしていますが、すべての紹介会社が同じ求人案件を取り扱っているとは限りません。企業側も、紹介・採用決定実績の高い紹介会社に多くの求人情報を公開・相談する傾向があるからです。
エージェントや担当コンサルタントが、業界や企業に対してどれほど情報を持っているのか。求職者の側も、コンサルタントとの初回の面談でしっかりと見極め、「この人にお願いしたい」と思えるかどうかを判断しましょう。
初回の面談でエージェントやコンサルタントの知識、実績を見極めてほしい――。そう伝える理由は、転職マーケットでは「一度応募すると、その後エージェントを変えることができない」という暗黙のルールがあるからです。
例えば、「まずは情報収集から」と軽い気持ちでエージェントに相談に行ったとします。大手の紹介会社では、初回の面談後に50~100もの求人情報を一気にもらうことがあり、その後、詳しい追加ヒアリングや情報共有の機会がないまま、「応募するか否か」を決めるケースが多々あります。求人情報の中に興味のある企業を見つけたので、「まずは応募してみよう」と書類を出す求職者も少なくありません。
しかし、一度応募すると、同じ企業に対して、他経由の応募(他の採用チャネル経由の応募、別のエージェント経由の応募)は受け入れられないというルールが動き出すのです。応募を決めたあとに、「このコンサルタントは企業情報をほとんど持っていないから、この企業に強い別のエージェントにお願いしたい」と思っても、基本的にそれはできません(※企業によっては、求職者の意向を聞いてくれるケースもあります)。
実際に「そんなルール知らなかった。今からエージェントを変えられないか」という相談を受けるコンサルタントは多いのですが、現時点では、求職者の希望よりも企業側の対応を重視したルールになっているのです。
求職者が納得のいく転職活動をするためには、「どのエージェント、どのコンサルタントに転職アドバイザーをお願いしたいか」をきちんと判断することが何よりも大切です。
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